今回は、アメリカの投資会社であり、主に中堅・中小企業への投資を行っている『エイリス・キャピタル・コーポレーション』を紹介します。
エイリス・キャピタル・コーポレーションは、主に中堅企業や成長企業、およびプライベート・エクイティ(非上場企業への投資)への債務証券や出資証券、ローン、またはそれらの組み合わせを通じて資本を提供している投資企業です。
プライベート・エクイティへの投資は、未来への投資。それを実現している企業です!
企業情報<Enterprise>
- 名称 エイリス・キャピタル・コーポレーション (ARES CAPITAL CORPORATION)
- 本社 イリノイ州ディアフィールド
- 設立 2014年
- 業種 BDC
- 公式ウェブサイト AresCapitalCororation
- ティッカー ARCC
- セクター 金融セクター
- 市場 ナスダック証券取引所(NASDAQ)
BDCとして、アメリカ最王手のエイリス・キャピタル・コーポレーション。
歴史<History>
エイリス・キャピタル・コーポレーション(Ares Capital Corporation)は、2004年に設立されたアメリカの投資会社です。以下に、主なマイルストーンとしてのアレス・キャピタル・コーポレーションの歴史を示します。
- 2004年 エイリス・キャピタル・コーポレーション設立
- 2005年 エイリス・キャピタル・コーポレーションはNASDAQ(ナスダック)市場に上場
- 2007年 アポロ・インベストメント・コーポレーション(Apollo Investment Corporation)との合併を完了
- 2010年 投資ファンドであるエイリスキャピタルマネジメント(Ares Capital Management LLC)を完全子会社として取得
BDCという事業形態で成長しているエイリス・キャピタル・コーポレーション。BDCが何かを知っておきましょう。
BDC<Business Development Companies>
BDCとは、将来性のある新興企業や中小企業に対して、資金提供やアドバイスを行い、その成長を支援することを目的とした事業形態の事を言いますが、同時にBDCを行っている企業の事も指します。
エイリス・キャピタル・コーポレーションは、BDC事業形態とするBDC企業です。
新興企業や中小企業は銀行からの融資を受けるのが困難です。
BDCは、投資家から資金を集めそれらの企業に投資を行い、成長を支援していきます。
BDCは、投資先企業の成長支援しつつ、投資に対する利息やアドバイスへの手数料などを収益としています。
投資した企業が大きく成長して、上場したり大企業に買収、合併となれば、BDCとして大きなリターンを得る事が出来ます。
しかし、投資するのは新興企業や中小企業ですので、破綻し倒産してしまう危険性もあります。
ハイリスク/ハイリターンなBDCですが、BDCへの投資をしている投資家を守る意味で、さまざまな法律での規制があります。
ポートフォリオの分散、ポートフォリオの多様化、投資割合の制限、リスク管理に対する報告義務などです。
更に、BDCは課税所得の90%以上を投資家に分配することを条件に、法人税が免除されます。利益の多くが投資家に分配されるので、高い配当利回りが期待できます。
アメリカは、法人税を免除し投資家に多く分配されるようにすることで、新興企業や中小企業が成長出来るチャンスを提供している。その形態がBDCという事です。
アメリカは新興企業がステップアップするためのチャンスとして、BDCを提供しています。これぞ、アメリカンドリームですね。
強味<Advantage>
エイリス・キャピタル・コーポレーションの強みは以下のような要素があります:
- 経験豊富な運用チーム
中堅企業への投資に関する幅広い経験と専門知識を持ち、投資先の選定やポートフォリオの管理において優れた能力を持つチームが属しています。 - ポートフォリオの多様性
リスクを分散し安定した収益を追求するために、異なる業界やセクターにわたる幅広いポートフォリオを保有しています。 - 合的な投資ソリューション
中堅企業が成長や資本調達を行うためのオプションとして、債務証券や出資証券、ローンなどのさまざまな投資ソリューションを提供しています。 - 豊富なリソースとネットワーク
中堅企業に対してさまざまなサポートを提供するべく、広範なリソースとグローバルなネットワークを持っています。
以上の強味が、中堅企業への投資において競争力を持ち続ける要因となっています。
課題<Subject>
エイリス・キャピタル・コーポレーションが直面している可能性のある課題には、以下のようなものが考えられます
- 競争激化
投資会社の市場は競争が激しく、他のプレーヤーや金融機関との競争が存在します。競合他社の新たな投資戦略や資金調達能力により、投資先の選定や取引条件の改善が困難になる可能性があります。 - リスク管理
投資会社は投資先の事業や市場のリスクを管理する必要があります。経済の変動、企業の財務状況の悪化、業界の変化などリスク管理の能力が不十分であれば、予期せぬ損失が生じる可能性があります。 - 資金調達の制約
投資会社は自己資本や借入金を活用して投資を行いますが、市場の変動や信用リスクの増加により、資金調達コストが上昇する可能性があります。 - 規制変更
金融業界における規制は頻繁に変更されるため、それに適合するための法的要件やコンプライアンスに対応する必要があります。規制変更により、事業運営や投資活動に関する制約や負担が増加する可能性があります。
以上のような課題がありますが、中でもリスク管理は常に最善を尽くす必要があります。
競合<Competition>
エイリス・キャピタル・コーポレーションの競合相手として、3つの競合相手と比較してみました。
- バークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hathaway):BRK.B
- ブラックストーン・グループ(The Blackstone Group):BX
- ブラックロック・キャピタル・インベストメント(BlackRock):BKCC
最大で競合との株価を比較したところ、バークシャー・ハサウェイの凄さだけが飛びぬけてました。
2020年からの3年を比較してみたところ、エイリスキャピタルはほぼ横ばいです。
バークシャー・ハサウェイはどこを切り取っても勝っているように見えます。本当に凄いです。
配当<Dividend>
エイリス・キャピタル・コーポレーションは、株主に対して配当を行っています。
- 配当回数 年4回
- 配当確定月 2,5,8,11月
- 配当支払月 3,6,9,12月
ウォルグリーンブーツアライアンスは、長期にわたり増配し続けている企業です。
2005年からの年間配当金額です。これだけ配当している銘柄はとても希少です。
配当利回りは、10.43%(2023年5月19日)ちょっと怖いくらいの利回りです。
分析<Analysis>
エイリス・キャピタル・コーポレーションは、ハイリスク/ハイリターンの投資を行っている企業です。
経験豊富なプロたちが厳選した投資先を選別し、抜かりなく幅広いポートフォリオを構築しているにしても、リスクは避けられません。
リスクを補う手法として、投資先のスクリーニング、ポートフォリオ管理、リスク管理、資本供給などを行っていて、これまでの所は成功していると言えます。
BDCは、課税所得の90%以上を投資家に還元しているので、配当利回りが高いという事は、高い収益をあげているという事になるからです。
2005年からの株価チャートです。リーマンショックでかなりの痛手を負いましたが、すぐに回復。
コロナショックでも影響を受けましたが、回復しました。
買うか買わないか<Buy>
エイリス・キャピタル・コーポレーションは、比較的ハイリスクで高配当な銘柄です。
リスクが高い銘柄はあまり好ましくなく、ハイリターンであっても手を出したくないと思っているのですが、エイリス・キャピタル・コーポレーションだけは別です。2021年6月に初めて購入し、それ以降も追加しています。
リーマンショック、コロナショックと2度による危機を跳ねのけてた実績もあるし、何より投資家への分配が大きいのが魅力です。
株価は気にせず、配当金を受け取りながら長期的に保有していれば良いと思ってます。
エイリス・キャピタル・コーポレーションだけは、永続的に保有出来るかもしれないと思います。
しかし、2022年7月。信用取引規制が入り日本の証券会社では購入が出来なくなってしまいました。改めて、リスクが高い銘柄だという事を認識させられます。
しかし、楽天証券の競合比較を見てみると、企業スコア総合で星5という高スコアなので、もしかしたら近いうちにまた売買が再開されるのではないかと思っています。
海外の証券会社では売買が可能なので、そちらでも少し買い足しました。ただ、海外の証券会社ではNISAが使えないし、税金が割高になるので、国内の証券会社で売買出来るようになる事を期待してます。
ハイリスク・ハイリターンのBDC銘柄ですので、購入には十分な検討が必要です。
ARCCは、海外の証券会社では購入可能です。米国株の魅力にはまったら、海外の証券会社を開設するのもありです!
銘柄分析は出来ないけれど、自分なりの分析と直感で長く保有出来る銘柄を見つけては買いためています。最後まで読んでくださって、ありがとうございました!