今回は、アメリカの再生可能エネルギー事業を牽引している『ネクステラ・エナジー』をご紹介します。
ネクステラ・エナジー(NextEra Energy)は、アメリカ合衆国に本拠を置くエネルギー関連企業です。主に再生可能エネルギーの発電事業を展開しており、風力発電と太陽光発電を中心としたプロジェクトを運営しています。
風力発電および太陽光発電において業界をリードしており、アメリカ国内および国際的に多くのプロジェクトを手がけています。エネルギーアセットの運営・保有やエネルギー貯蔵技術の開発など、エネルギー関連の幅広い事業にも取り組んでいる、エネルギー産業におけるアメリカのリーディングカンパニーです。
企業情報<Enterprise>
- 名称 ネクステラ・エナジー(NextEra Energy)
- 本社 アメリカ フロリダ州マイアミ
- 設立 1984年
- 業種 電力・エネルギーインフラ事業
- 公式ウェブサイト NextEra Energy
- ティッカー NEE
- セクター 公益セクター
- 市場 ニューヨーク証券取引所(NYSE)
フロリダ州で約500万世帯の電気を提供しています。
歴史<History>
ネクステラ・エナジーの歴史は以下の通りです
- 1984年 フロリダ州マイアミで設立。
- 1997年 再生可能エネルギー事業開始。風力発電所の建設と運営に取り組み。
- 2002年 再生可能エネルギーの開発会社であるFPLグループを買収。
- 2009年 全米最大の風力発電事業を展開するため、フロリダ州以外の地域に進出。
- 2010年代 風力発電と太陽光発電のプロジェクトを増加し、エネルギー貯蔵技術の開発にも着手。
- 2020年代 再生可能エネルギー業界のリーディングカンパニーとしての地位を確立。
持続可能なエネルギーの普及とエネルギー産業の変革に貢献しています。
再生可能エネルギー<Renewable Energy>
再生可能エネルギーは、地球上の持続可能な資源から得られるエネルギーのことを指します。
主な再生可能エネルギー源には以下のようなものがあります。
太陽光エネルギー、風力エネルギー、水力エネルギー、生物質エネルギー、地熱エネルギー
現在のエネルギー(化石燃料)から再生可能エネルギーに置き換える事によって、多くの利点があります。
温室効果ガスを削減し、環境への負荷を減らす事で温暖化や気候変動を緩和出来ます。また、個別の住宅や企業が自らエネルギーを生み出す事が出来るので、エネルギー供給を自給自足出来ます。
それ以外にも、新たな雇用の創出による経済効果や、価格変動によるリスクが低い点などがあります。
アメリカでは再生可能エネルギーへの取り組みが進んでおります。
2021年にはバイデン政権が提唱する「アメリカのクリーンエネルギー革命」を掲げました。この計画では、2035年までに電力部門の100%をクリーンエネルギーで賄うことを目指しています。
アメリカ政府はクリーンエネルギーの研究開発を支援しています。新たな技術やイノベーションの推進、エネルギー効率の向上、電池技術の発展など、クリーンエネルギー分野での研究開発への投資が行われています。
良い事ずくめの再生可能エネルギーへの置き換えに、アメリカ政府も強力に後押ししています。
強味<Advantage>
ネクステラ・エナジーの強味は以下のようになります:
- リーディングな再生可能エネルギー企業
再生可能エネルギー分野でのリーディングカンパニーであり、長年にわたり積極的に再生可能エネルギーへの投資と開発に取り組んできました。その結果、大規模な風力発電および太陽光発電プロジェクトを所有・運営するなど、業界での強固な地位を築いています。 - 多様なポートフォリオと事業展開
風力発電、太陽光発電、エネルギー貯蔵など、さまざまな再生可能エネルギー技術をカバーする幅広いポートフォリオを持っています。市場の変化に柔軟に対応し、持続的な成長を実現しています。 - 技術革新と効率性の向上
最新の発電技術やエネルギー貯蔵システムの導入により、エネルギーの生産性と効率を向上させています。 - 安定した収益源と成長性
再生可能エネルギーは持続的な需要があり、長期的な契約や報酬(インセンティブプログラム)によって支えられています。 - 持続可能性へのコミットメント
再生可能エネルギーの普及や温室効果ガスの削減に貢献するだけでなく、地域コミュニティへの責任を持ちクリーンなエネルギーの提供における生活向上に向けての信頼を置かれています。
再生可能エネルギーの提供で、環境への負荷を減らす。重要な役割を担う企業です。
課題<Subject>
ネクステラ・エナジーが直面している課題は以下のようなものが考えられます:
- 政策の変化と規制の不確実性
エネルギー政策や規制は国や地域によって異なり、変化が頻繁に起こる場合があります。政府のエネルギー政策や規制の変化に対応するために、迅速かつ適切な戦略を策定する必要があります。 - 競争の激化
他の企業や新興企業も再生可能エネルギーへの参入しており、市場シェアの確保やプロジェクトの開発において競争が激しくなっています。 - インフラストラクチャーの課題
風力発電所や太陽光発電所の建設や接続には、適切な電力網や送電インフラが必要です。これらのインフラストラクチャーの整備には時間とコストがかかる場合があり、それに伴う課題や制約が存在します。 - 技術と研究開発の進化
エネルギー技術は進化を続けており、より効率的で持続可能なソリューションが求められています。最新の技術トレンドを把握し、研究開発や技術革新に積極的に取り組む必要があります。
バイデン政権ではクリーンエネルギーを後押ししていますが、政権交代で規制が変わるかもしれません。
競合<Competition>
ネクステラ・エナジーの競合企業としては、以下のような企業が挙げられます。
- デューク・エナジー(DUK) - アメリカの東部と中西部を中心に電力を供給している大手電力会社
- ファーストエナジー(FE) - アメリカの中西部および東部のアメリカ合衆国で電力を供給
- サザン(SO) - アメリカ合衆国南東部を中心に電力を供給している大手電力会社
3社ともアメリカの大手電力企業です。
上の3社との5年間の株価チャートです。
リーディングカンパニーであるネクステラ・エナジーが株価でもリードしています。
配当<Dividend>
ネクステラ・エナジーはダウは、配当しています。
- 配当回数 年4回
- 配当確定月 1,4,7,10月
- 配当支払月 2,5,8,11月
2020年に大幅に減配しました。2022年は年間$1.7 2023年は年間$1.87予測です。
配当利回りは、2.51% (2023年5月24日)
分析<Analysis>
ネクステラ・エナジーは、再生可能エネルギー分野でアメリカ最大のリーディングカンパニーです。
アメリカ政府は、再生可能エネルギーの普及を支援するために税制上の優遇措置や補助金制度、規制緩和などを実施し、ネクステラ・エナジーを含む再生可能エネルギー企業の事業展開を支援しています。
また、環境に配慮したプロジェクトや取り組みを資金調達するための債券であるグリーンボンドの発行によって、資金調達しやすい状況にもなっています。
更には、企業や公共機関などとグリーンエネルギー購入契約(Power Purchase Agreement, PPA)も締結しています。
これにより、ネクステラ・エナジーの再生可能エネルギー発電所から安定した電力供給を受けることができる一方、企業や公共機関は再生可能エネルギーの利用と持続可能性への取り組みを示すことができ、お互いに利点を得ています。
株価チャートは創立から右肩上がり。
買うか買わないか<Buy>
バイデン政権から強力に後押しされている再生可能エネルギー業界ですが、政権が代わると補助が受けられなくなる可能性は大きいです。
ただ、クリーンエネルギーは政権からの後押しが無くなったとしても、成長していくはずです。エネルギーは絶対的に必要ですし、資源は限られているからです。
再生可能エネルギーに投資するというのは、未来に投資するという事で、地球環境のためになる事でもあるし、良い投資先であることは間違いないと思います。
ただ、2020年に大幅に減配しているのが少し気になります。
2018年の営業利益から3年間下がってきていますが、2022年は上向いてきています。収益も伸びてきているので、2023年も上向きていきそうではあります。
買うか買わないかで考えた時、今少し様子を見ようかな。と思います。
公益セクターですし、需要と供給も無くなる事はないし、再生可能エネルギーですし、安心材料は多々あるはずなのですが、営業利益と配当が気がかりで、購入意欲が湧いてきません。
不祥事らしき事がないのも、気になります。何か一つくらいあった方が、自然というか。優秀すぎて親近感を感じないのもあります。という事で少し様子をみようと思います。
優秀すぎる公益セクター銘柄に、なぜか違和感を感じる。変ですかね。。。
銘柄分析は出来ないけれど、自分なりの分析と直感で長く保有出来る銘柄を見つけては買いためています。最後まで読んでくださって、ありがとうございました!