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インテル入ってる?で有名になった『インテル』。競合との激しいバトルにどう立ち向かうか!

半導体

今回は、半導体メーカーとして業界を牽引してきた「インテル」をご紹介します。

パソコンの頭脳となるCPUを世に生み出し1990年代に急成長したインテル。次々に高性能のCPUを世に送り続け、パソコンの性能を上げ続けてきました。

CPU以外にも世界中で幅広い製品ラインナップを展開しており、コンピュータやサーバー、ネットワーク・通信機器、メモリー、ストレージ、IoT(Internet of Things)機器などに用いられる高度な半導体製品を提供しています。

企業情報<Enterprise>

  • 名称                          インテル  Intel Corporatio
  • 本社                          アメリカ カルフォルニア州サンタクララ
  • 設立                         1968年7月18日
  • 業種                      電気機器
  • 公式ウェブサイト     intel(日本語)
  • ティッカー                  INTC
  • セクター                     IT関連セクター
  • 市場                          NASDAQ証券取引所

ダウは、世界31カ国で製造拠点を操業しており、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋地域などに拠点を持っています。

歴史<History>

  • 1968年7月  ロバート・ノイスとゴードン・ムーアによって設立
  • 1971年11月 世界初のマイクロプロセッサ「Intel4004」を発表。小型電卓などに採用
  • 1971年10月 NASDAQに上場
  • 1980年    ゼロックス、DECと共同でLANの規格「Ethrnet1.0規格」として公開
  • 1981年8月  IBM初のパソコンCPUにインテルの「8088」が採用されインテルが急成長
  • 1991年5月   「Intel Inside」ブランディング戦略を世界規模で展開し大成功
  • 1993年3月  x86の第5世代に当たる「Pentium」を発表。
  • 1998年4月  低価格パソコン向けの「Celeron」を発表。
  • 2001年5月  サーバー・ワークステーション向けの「Xeon」を発表。
  • 2006年    AppleがMacのCPUをインテル製に切り替えることを発表。
  • 2011年3月  マカフィーの買収を完了。
  • 2012年1月  リアルネットワークスが保有するストリーミング・メディア関連特許とビデオ・コーデックを買収することを発表。
  • 2015年12月 アルテラの買収を完了。

インテルは、設立当時から競合他社との激しい競争を行ってきました。競合がいることで、半導体以外の新しい製品開発にも取り組み進化してきました。

配当<Dividend>

インテルは、配当をしています。

  • 配当回数  年4回
  • 配当確定月 1,4,7,10月
  • 配当支払月 2,5,8,11月

2023年5月の配当金額は、$0.125。2023年2月は、$0.365だったので、$0.24の減配となりました。

配当利回りは、4.67% (2023年5月9日)

ものづくり<Manufacturing>

インテルは、世界中のPCメーカーやデバイスメーカーに供給するCPUや通信チップなどの製造を自社工場で行っています。主な工場は以下の通りです。

  • アメリカ・アリゾナ州チャンドラー工場:CPU、モバイル通信向けチップの製造
  • アメリカ・オレゴン州ヒルズボロ工場:CPU、メモリ、通信チップの製造
  • アイルランド・レニスタウン工場:CPU、プラットフォームチップの製造
  • イスラエル・キリヤット・ガト工場:CPUの製造
  • 中国・ダリアン工場:CPU、モバイル向けチップの製造

また、インテルは、世界中に多数の研究所も持っており、次世代のテクノロジー開発に取り組んでいます。

  • アメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコ研究所:AI、自律運転、IoTなどの研究
  • アメリカ・オレゴン州ポートランド研究所:ソフトウェアの研究
  • アメリカ・マサチューセッツ州ケンブリッジ研究所:量子コンピューター、光通信などの研究
  • イスラエル・ハイファ研究所:AI、セキュリティ、IoTなどの研究
  • ドイツ・マンハイム研究所:自動運転、IoT、セキュリティなどの研究
  • インド・バンガロール研究所:人工知能、クラウドコンピューティング、モバイル技術などの研究

開発から製造、販売までを自社で行う、ものづくりにこだわる世界最大級の半導体メーカーです。

強味<Advantage>

インテルには多くの強みがあります。

  1. 技術力
    インテルは、世界の各所に研究所を設け、半導体やCPU、通信チップなどの技術開発において世界中のトップクラスの研究者やエンジニアを募り高性能かつ省電力のプロセッサを開発しています。
  2. 生産能力
    インテルは、世界に拠点を設け、自社工場において製品の生産を行っています。高品質かつ高量産の製品を供給することで、顧客からの信頼を得ています。
  3. ブランドイメージ
    インテルは、パソコン市場で広く認知されているブランドであり、その知名度は不動であります。多くの人々がインテルのCPUを信頼しています。同社のプロセッサは、高性能であるだけでなく、安定性や信頼性にも優れていまます。
  4. パートナーシップ
    インテルは、世界中の多くの企業とのパートナーシップを築いており、パソコンやサーバー市場における生態系を構築しています。これにより、同社は多様なニーズに対応できる幅広い製品ラインナップを提供することができます。

インテルは、パソコンとともにブランドイメージを作り上げてきました。今では誰でもがパソコンの中のCPUがパソコンの性能を決定づける事を知っています。パソコンメーカーではなくCPUでパソコンを選択するユーザーも多く、インテル人気は不動のものとなっています。

1990年代にインテルの偽物が大量に出回りました。それだけ認知度と人気があるという証明でもあります。

課題<Subject>

インテルには、以下の課題もあります。

  • CPU市場での競争が激化
    インテルの最大のライバルであるAMDが、消費者向けのCPU市場でのシェアを増やし続けています。AMDがリリースした新しいCPU製品が、高い性能とコストパフォーマンスの両方を備えていることが、インテルの課題を深刻化させています。
  • チップ不足
    半導体産業全体で起こっているグローバル・チップ不足の影響も、インテルにとっての課題となっています。インテルは生産能力の拡大を進めているものの、需要を満たすことができていないため、製品の供給が追いつかない状況が続いています。
  • モバイルデバイス市場出遅れ
    インテルは、モバイル端末向けの市場で競合他社に遅れを取っています。スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイス市場においては、QualcommやAppleなどの企業が、高性能なプロセッサを提供しており、市場シェアを占めています。

以上のように、インテルは多くの課題に直面しています。

競合<Competition>

インテルの競合相手は、半導体業界全体にわたります。以下2社が最大の競合相手だと思われます。

  1. AMD(Advanced Micro Devices):インテルと同様に、マイクロプロセッサの製造に特化しています。特に、パソコン向けCPU市場での競合が激しく、最近では、AMDのRyzenプロセッサが高い評価を受けるようになってきました。
  2. NVIDIA:グラフィックスチップメーカーであり、ゲーム用途などに特化した高性能なグラフィックスカードを製造しています。ただし、最近では、機械学習や人工知能(AI)などの分野で、GPU(グラフィックスプロセッシングユニット)が広く使われるようになっており、この分野でもインテルと競合することになります。

これらの競合相手に加え、中国の企業やその他のアジアの企業も半導体業界で急速に成長しており、今後ますます競合が激化することが予想されます。

2018年からの5年間で、AMDは約600%、NVIDAは約400%成長しています。

インテルはというと、約ー42%と低下しています。2000年以降、IT市場は価格競争や製品開発競争が激化し、インテルはこれまで拡大してきた市場を奪われている状況でした。

分析<Analysis>

インテルは、1980年以降世にパソコンを普及する過程で大きな影響力を及ぼしてきました。1990年からは、パソコンの頭脳としてのCPUブランドとして世界に君臨してきました。

しかし2000年以降、半導体市場の激化が激しくなってきました。AMD、サムスンなど多くの企業が次世代のテクノロジーの開発に力を入れていて、半導体市場での競争は年々激しくなっています。

そんな中インテルは、多方面のテクノロジー開発へも注力しています。人口知能や自律運転技術などです。

インテルは、AI(人工知能)分野にも力を入れています。インテルが注力しているのは、「AIのエッジコンピューティング」と呼ばれる技術です。これは、AIの処理をクラウド上で行うのではなく、エッジ(端末)側で行うことで、処理速度を高め、セキュリティを強化することができるとされています。

最近話題のOpenAI「ChatGDP」は、クラウド上のビックデータとして進化しているものです。インテルは個々のデバイスとしての人工知能の開発に注力しています。

例えば自動運転車では、AIの処理を高速に行う必要があります。しかし、クラウド上での処理だと遅延が発生することがあります。エッジコンピューティング技術を使用することで、リアルタイムでの処理を実現することができます。

また、インテルは、AIによる画像認識技術の開発にも注力しています。例えば、セキュリティカメラの映像から異常を検知するソフトウェアの開発や、医療分野での画像解析技術の開発などに取り組んでいます。これらの技術は、社会に大きな影響を与えることが期待されています。

これらの次世代テクノロジーの開発により、インテルは、社会や産業の変革に貢献し、人々の生活をより便利に、安全に、快適にすることを目指しています。

2000年をピークに、その後停滞気味でした。2013年ごろから徐々に盛り返してきたようですが、現在また落ち込んでいます。

買うか買わないか<Buy>

ChatGDPの出現により、2023年はAI関連が非常に話題になっています。投資家としては、これから伸びそうなAI関連株に投資したいと思うのですが、気が付けば思いつきそうな関連株はかなり高額になっています。AMDもNVIDAもAAPLもCSCOも・・・

そんな中、落ち込んでいるのがインテルです。

「インテル、入ってる」で一世を風靡したインテルですが、やはり競合に競り負けている感は否めません。勢いのある競合に圧倒されているというか、ブランド価値を下げたくないとのプライドからか、低価格化ではアジア諸国の企業に負けてしまっています。

しかし、これまで半導体市場を牽引してきた事を考えても、高い技術力とグローバルな研究開発拠点を持っている事は間違いありません。

そして、インテルが行っているエッジコンピューティングのAI化には、非常に期待が持てます。AI化はクラウドだけでは終わらないはずです。個々のデバイスのAI化と考えると、いよいよ人型ロボットの時代が、近い将来本当に実現出来るところまで来ていると思います。その時はきっと「インテルが入ってる」のではないでしょうか!

2023年5月現在、価格が下がっている今は買い時かもしれません。現在インテル株は保有していませんが、近いうちに購入予定です!

何かしらAI関連企業に投資したいと思い、インテルに辿り着きました。AIの進化のスピードは恐ろしく高速です。インテルのCPUもどんどん高速化していきます!

銘柄分析は出来ないけれど、自分なりの分析と直感で長く保有出来る銘柄を見つけては買いためています。最後まで読んでくださって、ありがとうございました!

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