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化学メーカーから素材部門でスピンオフした『ダウ』モノづくり日本でも大躍進!

夜のプラント工場

今回は、本家からスピンオフして大きく飛躍している『ダウ』をご紹介します。

ダウは世界中で事業を展開しており、日本国内において多数の関連企業があります。日本市場における主な製品は、自動車や電子機器などの産業に欠かせない材料であるプラスチック製品です。また、医療用途に適した素材や、建築材料、塗料、農薬など、多様な分野において製品を提供しています。日本市場においても高品質な製品と持続可能な取り組みによって高い評価を得ている企業です。

企業情報<Enterprise>

  • 名称                          ダウ  Dow Inc.
  • 本社                          アメリカ ミシガン州ミッドランド
  • 設立                         2019年4月1日
  • 業種                   化学品メーカー
  • 公式ウェブサイト     Dow Inc. (日本語)
  • ティッカー                  DOW
  • セクター                     素材セクター
  • 市場                          ニューヨーク証券取引所(NYSE)

ダウは、世界31カ国で製造拠点を操業しており、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋地域などに拠点を持っています。

歴史<History>

ダウの前身となるのは、ダウケミカルカンパニーで、ダウケミカルカンパニーは100年以上の歴史を持っています。第一次世界大戦や第二次世界大戦時代も軍へ需要することで発展してきました。

以下は、ダウの操業に関連する周辺企業の関係です。

  • 1897年    HHダウ(Dr. Henry H. Dow)によってダウケミカルカンパニーが設立
  • 2017年9月  ダウケミカル社とデュポン社が合併し、世界最大の化学メーカーダウ・デュポン社が誕生
  • 2019年4月  ダウ・デュポンから素材化学部門としてスピンオフ、ダウ社設立
  • 2019年4月  ダウ設立の翌日、ニューヨーク証券取引所で上場
  • 2019年6月  ダウ・デュポンから農産業部門としてスピンオフ、コルテバ社設立
  • 2019年6月  残ったダウ・デュポン社が特殊化学品会社としてデュポンと改名

アメリカで化学メーカーとして最大手であった、ダウ・ケミカルとデュポンが合併し、最終的には3社(ダウ、コルテバ、デュポン)に分裂しました。

合併・分裂し、3社ともに得意分野を生かして発展しています。

配当<Dividend>

ダウは、2019年の設立以来、株価の変動に関わらず年間$2.8の配当を継続しています。

  • 配当回数  年4回
  • 配当確定月 1,4,7,10月
  • 配当支払月 2,5,8,11月

創設以来、年間$2.8の配当を出し続けています。

配当利回りは、5.325% (2023年4月26日)

事業形態<Business form>

ダウは主要なマーケットをバランス良く分散しています。大きく分けると以下の3つです。

  1. 建築・建材・インフラ
    自動車、建設、油田、石油精製、電力、水処理など、さまざまな産業で使用される製品を製造・販売しています。主な製品には、エンジニアリングプラスチック、シリコーン、炭素材料、油田化学品、塗料、接着剤、自動車用部品などがあります。
  2. 化学品製造および工業
    塗料、化粧品、医薬品、農薬、プラスチック、ゴムなど、さまざまな産業で使用される材料を製造・販売しています。主な製品には、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、合成ゴム、シリカなどがあります。
  3. 包装 - パッケージ用途
    パッケージング、衛生、健康、電子機器、自動車、建築など、さまざまな産業で使用されるプラスチック製品を製造・販売しています。主な製品には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、エラストマー、合成ゴム、樹脂添加剤、保護フィルム、ラベル、包装材料などがあります。

3つ事業を中心に世界へ展開。3つの事業バランスが非常に良いです。

強味<Advantage>

ダウの強味は以下のように挙げられます。

  1. 多様な製品ラインナップ
    化学品、プラスチック、農業製品、高性能材料など、多岐にわたる製品を取り扱っています。多様な製品ラインナップにより、幅広い市場に対応できることが強みとなっています。
  2. 技術力の高さ
    スピンオフ前からの長年にわたって培われた高い技術力を持っており、製品の品質や効率性を向上させるための研究開発に力を入れています。また、独自の製造プロセスを開発することで、競合他社との差別化を図っています。
  3. グローバルな展開
    世界各地に製造拠点や販売拠点を持ち、グローバルな展開を行っています。これにより、地域ごとの需要に合わせた製品の提供や、市場の拡大が可能となっています。
  4. 環境配慮型の取り組み
    環境配慮型の取り組みに力を入れており、サステナビリティに関する取り組みが高く評価されています。製品のライフサイクルを通じた環境影響の軽減や、再生可能エネルギーの利用など、環境保全に貢献する取り組みを積極的に進めています。

課題<Subject>

ダウが直面している主な課題は、以下のようなものがあります。

  1. 競合激化
    取り扱う製品について、競合他社が増加していることが課題となっています。特に、中国をはじめとするアジア地域からの競合企業の進出が増加しており、価格競争が激化しています。
  2. 新技術の開発
    長年にわたって培われた技術力を持っていますが、新たな技術の開発が課題となっています。特に、サステナブルな製品やプロセスの開発に取り組む必要があります。
  3. COVID-19パンデミックの影響
    COVID-19パンデミックの影響を受けています。需要の低迷や、サプライチェーンの混乱が課題となっており、経済の回復に向けた取り組みが求められています。

競合<Competition>

ダウの競合企業としては、以下のような企業が挙げられます。

  1. BASF SE(BAS) - ドイツに本社を置く化学品メーカーで、農業製品や高性能素材など幅広い製品を取り扱っています。
  2. ExxonMobil Chemical(XOM) - アメリカに本社を置く石油・ガス会社で、プラスチックや化学品などを取り扱っています。
  3. DuPont(DD) - アメリカに本社を置く化学品メーカーで、エレクトロニクスや高性能素材などを取り扱っています。

これらの企業は、ダウと同様に化学品やプラスチック、高性能素材などの製造・販売を行っており、世界中で競合しています。

2022年後半はダウが不調。エクソンモービルは伸びています。

競合企業との価格競争や製品開発競争が激しい中、デュポンと上手く切り分けが出来るのか?気がかり。

分析<Analysis>

ダウは多様な製品を取り扱っており、様々な産業や用途に利用されるため、需要が比較的安定しています。

多角化戦略を採用しており、農業分野や建築材料分野など、様々な分野に進出しています。これにより、需要変化に対するリスクを分散することができ、企業の安定性を高めています。

2020年はCOVID-19パンデミックの影響により、売上高が減少しましたが、2021年では業績が回復していることが示されました。

パンデミック以外にも、化学品業界は市場変化が激しく、需要や原材料価格の変化、環境規制の強化など、様々なリスクが存在します。ダウはこれらのリスクに対しても注意を払い、リスクマネジメント体制を整備することで安定性を維持しています。

またダウは、持続可能な製品やプロセスの開発に力を入れており、環境に配慮した製品やプロセスの需要が増加することが予想されているため、今後の成長につながる可能性があります。特に、プラスチック製品や高性能素材の需要が高まっていることから、今後も引き続き成長が期待されています。

ただし、競合企業との価格競争や新技術の開発に対する取り組みなど、課題も残されています。

2020年、COVID-19パンデミックの影響を受けましたが、その後回復成長しました。

買うか買わないか<Buy>

業界全体の景気や需要変化によって左右されますが、比較的安定した成長を続けていると思います。これまでの歴史(ダウケミカル含む)と実績を見ても、今後も安定した運営が期待できます。

ダウも購入し保有しているのですが、今後も買うか買わないかでいうと、購入です! 少しずつ様子を見ながらじっくりと追加していきたいです。$50以下で購入したら、キャピタルゲインも狙えるのではないでしょうか!

高い技術力を持ち、グローバルな研究開発拠点を有していて、日本においては、グループ会社であるダウ・東レとともに、日本の産業界と協力しサステナブルな未来に向けたイノベーションを展開します。

商品を開発し、生産する過程に必須となる素材を提供しているダウは、グローバル展開することで需要の変化に対応し、企業の安定性を高めています。大規模だからこその安心感で安定した配当を期待します。

増配こそありませんが、減配することもなく持続的に配当しているダウ。株価が下がっても減配されない(されていない)ところは、企業としての余裕を感じます。

銘柄分析は出来ないけれど、自分なりの分析と直感で長く保有出来る銘柄を見つけては買いためています。最後まで読んでくださって、ありがとうございました!

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