今回は、世界最大の銅鉱山の一つであるトケパラ鉱山を所有している『サザンコッパー』をご紹介します。
サザンコッパーは、銅生産企業であり主にペルー、メキシコ、チリで鉱業事業を展開しています。
主力製品として銅を扱っています。銅をはじめとする金属資源の採掘・生産・精製・販売などを一貫して手掛ける総合鉱業企業として、グローバルに事業展開しています。
企業情報<Enterprise>
- 名称 サザンコッパー Southern Copper Corporation
- 本社 アメリカ デラウェア州
- 設立 1952年7月18日
- 業種 鉱山業
- 公式ウェブサイト SouthernCopper
- ティッカー SCCO
- セクター 素材セクター
- 市場 ニューヨーク証券取引所(NYSE)
サザンコッパーは主に銅を生産しており、ほかにもモリブデン、亜鉛、銀などの非鉄金属の生産にも取り組んでいます。
歴史<History>
- 1952年 サザンペルーコッパーコーポレーション(「SPCC」)設立。
- 1954年 ペルーに支店が設立。トケパラ鉱山の開発についてペルー政府と二国間協定を締結。
- 1960年 トケパラ鉱山の操業を開始。初期生産能力は46,000トン/日でした。
- 1976年 クアホン鉱山コンプレックス発足。操業開始。
- 1990年 Grupo Industrial Minera Mexico S.A. de C.V.がカナネアの採掘事業を買収。
- 1994年 ペルーからイロ銅精錬所を買収。
- 1996年 ニューヨーク証券取引所(NYSE)とリマ証券取引所(BVL)へ上場
- 2005年 サザンペルー銅社とミナ・ブエナベンチュラ社との合弁事業発足
- 2011年 グルーポ・メキシコ傘下の鉱業会社ASARCOを買収
サザンコッパーは、世界各地に銅資源を保有しており、その資源量は業界トップクラスです。
配当<Dividend>
サザンコッパーは、配当をしています。
- 配当回数 年4回
- 配当確定月 1,4,7,10月
- 配当支払月 2,5,8,11月
2021年の業績が好調で、配当も大幅に増配されました。2022年度も増配され、今後の増配も期待です。
配当利回り予想は、5.37% (2023年5月12日)
銅<Copper>
社名にもなっている銅(コッパー)は、非常に優れた金属です。高い導電性能を持つため、電気・電子製品に多く使用されています。
- 電線・電話・通信ケーブル・銅線を使用した電線
- 配管・配線・建築用途での配管や配線
- 電気機器部品・電気機器の部品(コイル、コネクター、スイッチ、配線、コンデンサー、リレーなど)
- 自動車(電装部品やエンジン部品)
- 鉄道車両部品(鉄道車両のパンタグラフ、パーツ、ヒーターなど)
- 家電製品(電気ストーブ、電気湯沸かし器、電気アイロンなど)
- コイン・硬貨
- 家庭用品(食器、コップ、壺など)
- 装飾品(置物、像、彫刻など)
銅は、現代社会で必要不可欠な素材である事は間違いありません。
強味<Advantage>
サザンコッパーの強みには、以下のような点が挙げられます。
- 鉱業の専門知識と経験
鉱業において長年にわたって培われた専門知識と経験を持っており、鉱山の開発から生産、販売までを効率的かつ効果的に行うことができます。 - 大規模な鉱山の保有
ペルー、メキシコ、チリで大規模な銅鉱山を保有しており、銅の供給を安定的に行うことができます。 - 製品の多様性
銅だけでなく、モリブデン、亜鉛、銀、金などの非鉄金属も生産しています。製品の多様性を持っているため、市場の変化にも柔軟に対応できます。 - グローバルな市場展開
北米やアジア、ヨーロッパなど、世界中の市場に製品を供給しています。グローバルな市場展開をしているため、需要が高まった地域に柔軟に対応できます。 - 環境・社会への取り組み
環境保全や社会貢献に取り組んでいます。排出物の削減や再生可能エネルギーの活用、地域社会との協力関係の強化などの取り組みにより、社会的な信頼を獲得しています。
サザンコッパーは、トカピラ鉱山、クエンカ・ミラ鉱山など、銅鉱山を複数所有しています。
課題<Subject>
サザンコッパーが抱える課題には、以下のような点が挙げられます。
- 環境問題への対応
鉱業は環境に大きな影響を与えます。排出物の削減や再生可能エネルギーの活用、廃棄物の処理などが課題となります。 - 銅価格の変動によるリスク
銅価格は市場によって大きく変動するため、常に銅価格の変動によるリスクを抱えています。 - セキュリティの向上
鉱山事故(従業員の安全確保)や盗難などのセキュリティリスクを抱えています。 - 地域社会との調和
鉱山を運営するためには、地域社会との調和が不可欠です。サザンコッパーは、地域社会とのコミュニケーションや社会貢献活動などを通じて、地域社会との良好な関係を築き、継続していくことが課題となります。
環境への影響、価格の変動、作業の安全性、どれも永続的に続く課題と言えます。
競合<Competition>
サザンコッパーの競合企業であり、世界屈指の鉱山企業は以下の企業が挙げられます。
- フリーポート・マクモラン(Freeport-McMoRan Inc.):ティッカーシンボルは「FCX」
ペルー最大の銅鉱山、セラン・コロラド鉱山やトゥモベ鉱山を所有しています。 - BHPグループ(BHP Group):ティッカーシンボルは「BHP」。
- リオ・ティント(Rio Tinto):ティッカーシンボルは「RIO」。
これらの企業は、銅の生産や販売などでサザンコッパーと競合しています。各社とも鉱山を保有し開発や設備の更新などを進め、効率的な生産体制を確立しています。
2022年5月からの一年間の株価を競合と比較してみると、フリーポート・マクモランを上回っていました。
分析<Analysis>
銅は、電気や通信、建設、自動車、家電製品など、多くの産業で使用される重要な金属です。
建設業界では、銅は配線や配管などに使用され、通信業界では、電話線やケーブルなどに使用されます。自動車業界では、エンジンや電気配線などに使用され、家電製品では、配線やモーターなどに使用されます。
さらに、銅は再生可能エネルギーの分野でも重要な役割を果たしています。太陽光発電システムや風力タービンの電気配線に使用され、将来的には需要が高まることが予想されています。
しかし、鉱山業の最も大きな課題として環境問題があります。その中でも水質汚染問題は、深刻な問題です。
銅を含む鉱石を採掘する際には、大量の水を使用します。採掘に使用された化学物質や重金属を含んだ水が、地下水や河川、湖沼などに流れこむと水源を汚染してしまいます。
サザンコッパーは、過去にペルー南部のトクモ鉱山での採掘活動で、周辺地域の水質汚染を引き起こしたとして非難されました。
その後は環境保護に積極的に取り組み、環境影響評価を実施し、環境に与える影響を最小限に抑えるために、水処理プラントや排水管理システムを導入しました。
不祥事を経て、現在は環境問題に対する社会的責任を果たすことを目指しています。
世界の人口増加に伴って、銅の需要はますます高まっていくと予想されていますが、環境問題への取り組みを怠らず、今後も成長していく事が期待できます。
買うか買わないか<Buy>
銅は、電気や通信、建築、輸送などの産業に欠かせない重要な金属です。
今後益々成長していくと思われる、通信機器や電子デバイス機器の製造に銅が使用されているとなると、通信サービスセクターや情報技術セクターの成長も後押ししてくれる事になります。
また、再生可能エネルギーとして太陽光発電システムや風力発電システムにも銅製品が使用されています。
銅は、世界中で多岐にわたり、幅広くあらゆる分野で使用されています。需要が多ければ、それだけ銅の価値も上がっていく事になります。
サザンコッパーは、環境面での不祥事がない限り、一定量の銅を供給することで、益々成長していく企業だと思います。
サザンコッパーは、2022年から保有していますが、配当もあり納得の購入です。これからも様子を見て買い足していきたいです!
2010年チリのコピアポ鉱山で落盤により、作業員33人が閉じ込められてる事故がありました。奇跡的に作業員は休出されましたが、1年後コピアポ鉱山を運営していたサン・エステバンという企業は倒産しました。セキュリティ対策を万全にして欲しいと切に願います。
銘柄分析は出来ないけれど、自分なりの分析と直感で長く保有出来る銘柄を見つけては買いためています。最後まで読んでくださって、ありがとうございました!