今回は、設立から10年で世界的なグローバル企業へと成長したヘルスケアセクターの『アッヴィ』をご紹介します。
アッヴィは、免疫関節炎治療薬「ヒュミラ」を主力に「Viekira Pak」などの抗ウイルス薬などを提供するバイオテクノロジー企業です。癌、肝炎、神経科学、美容、消化器系などの領域において、幅広い製品ラインナップを持っています。
企業情報<Enterprise>
- 名称 アッヴィ AbbVie Inc.
- 本社 アメリカ イリノイ州シカゴ
- 設立 2013年1月1日
- 事業内容 医療用医薬品の研究、開発、製造、輸入、販売
- 公式ウェブサイト 医薬品の研究開発 |アッヴィ (abbvie.com)
- ティッカー ABBV
- セクター ヘルスケアセクター
- 市場 ニューヨーク証券取引所(NYSE)
世界で高齢化や生活習慣病が増加している現代、ヘルスケアセクターは高い成長が期待されます。
歴史<History>
- 2013年1月 米国の製薬会社アボット・ラボラトリーズから分社独立により設立
- 2015年3月 肝炎治療薬「Sovaldi」の開発で知られるバイオ医薬品企業Pharmacyclicsを買収
- 2016年4月 ガン医薬品のスタートアップ企業であるStemcentrxの買収
- 2020年5月 美容向け医薬品に強みを持つアラガンの買収
- 2021年 非アルコール性脂肪肝疾患治療薬開発に注力するGlympse Bio社を買収
買収によりアッヴィは製品ラインナップの拡大や事業領域の多様化、市場シェアの拡大などを実現。その後も多角化戦略を進め、幅広い製品群を展開しています。
世界70ヵ国以上にビジネス拠点をもち、170ヵ国以上でアッヴィの医薬品が利用されています。
配当<Dividend>
アッヴィは、配当を積極的に実施している企業の1つです。過去10年間、アッヴィは毎年増配を実施しています。
- 配当回数 年4回
- 配当確定月 1,4,7,10月
- 配当支払月 2,5,8,11月
アッヴィは、事業拡大に伴い収益が安定しており、配当を継続的に増やしていくことができると見られています。
アッヴィは自社株買いも積極的に実施しており、株主還元を進めています。
強味<Advantage>
アッヴィには、以下のような強味があります。
- 多様な製品ラインナップ
アッヴィは、幅広い疾患領域に対応する製品ラインナップを持っています。特に、免疫関節炎治療薬の「ヒュミラ」や、「Viekira Pak」などの抗ウイルス薬は、アッヴィの主力製品であり、高い市場シェアを持っています。 - 新薬開発への取り組み
アッヴィは、製品の開発において、積極的に最新の技術革新を取り入れています。また、新たな技術の研究開発に多額の投資を行い、将来的な成長に繋げる取り組みを行っています。 - グローバルな事業展開
アッヴィは、世界中に事業を展開しており、グローバルな市場に参入しています。これにより、需要の変化や市場の変化に柔軟に対応することができます。 - 優れたマーケティング戦略
アッヴィは、製品の販売において優れたマーケティング戦略を展開しています。これにより、市場シェアを拡大し、競合他社との競争に勝利することができます。 - 合併買収を活用した事業拡大
アッヴィは、合併・買収を行い事業の拡大を図っています。アリガン買収後は業界最大のグローバル企業となり事業拡大を推進しています。
課題<Subject>
アッヴィが直面している主な課題は、以下のようなものがあります。
- 特許切れによる競争力の低下
アッヴィの主力製品であるヒュミラの特許が切れたことにより、同製品に対する競争が激化しています。これにより、同社の売上高や利益率に影響を与える可能性があります。 - 新製品の開発と承認
アッヴィは新製品の開発に多額の投資を行っており、承認を得るまでには時間がかかることがあります。また、製品が承認されたとしても、その後の市場投入にはさらなる課題が伴うことがあります。 - 健康保険制度の変化
アメリカや欧州などの健康保険制度の変化により、アッヴィの製品の需要や価格が変動する可能性があります。これにより、同社の収益に影響を与えることがあります。 - 業界規制の強化
医薬品やバイオテクノロジー業界は、厳格な規制の下で運営されています。規制の強化により、製品の承認が遅れることがあったり、製品販売に関する制約が増えることがあります。 - 競合他社との競争
アッヴィは、競合他社との競争に直面しています。同業他社は同じような製品を提供し、同様の市場に参入することがあります。また、同業他社が開発する製品がアッヴィの製品と直接競合することがあります。
競合<Competition>
製薬業界においての競合企業が存在しています。
- ノバルティス(NVS):スイスの製薬企業で、糖尿病治療薬や心臓病治療薬、がん治療薬などを扱っています。
- メルク(MRK):米国の製薬企業で、がん治療薬やHIV治療薬、免疫疾患治療薬などを扱っています。
上の2社の企業は、いずれもアッヴィと同様に製薬分野で強みを持っており、競合関係にあります。
しかし、世界的な高齢化を背景に市場そのものが拡大していく傾向にあり、競争をしていく事で業界全体が成長していくとも思われます。
2020年からの3年での成長率は、アッヴィが断トツです。
高齢者問題は世界的な問題であり、常に新たなテクノロジーが求められている分野です。
分析<Analysis>
アッヴィの持つ、強味と課題を踏まえて、分析してきたいと思います。
アッヴィは、合併買収をする事により製品のラインナップを増やし、市場も拡大してきました。また、これまでの実績を見る限り、マーケティング力も非常に優れていて、世界へのグロバール展開も成功させています。
アッヴィの最大の収益源、免疫関節炎治療薬「Humira」の特許が切れる事はネガティブですが、現在開発中の新薬候補が市場投入されることで、これらの課題に対応していけると見られています。
健康保険や業界の規制問題などは、昔から常に付きまとってきた問題であり、今後も続いていく事なので、それほど重要な課題ではないと思います。
また、がん治療薬の開発にも力を入れており、現在多くのがん治療薬を開発中です。特に、血液がん治療薬分野においては、高い評価を受けています。
アッヴィは、創業以来、医薬品分野での長期的な成長を追求してきました。
免疫疾患治療薬分野やがん治療での研究開発に注力し、医薬品分野での長期的な成長を追求し、新しい医薬品の開発や事業拡大を進めることで、今後の成長が期待されます。
ヒュミラの特許切れの局面を乗り越えて、更なる事業拡大を期待しています。
買うか買わないか<Buy>
これまでの実績を見ても、強味や課題を考えても、買うか買わないかでいうと、絶対購入です!どんどん購入して配当でも買い増ししていきたい銘柄です!
ただ、不安要素もあります。2023年4月時点で価格が最高値になっていることです。
それだけ投資家から購入されているという事なのですが、出来る事なら少しでも安い価格で購入したいと思う所です。
右肩上がりに成長してきた、ヘルスケアセクターの代表格『アッヴィ』。配当を受け取りつつ、キャピタルゲインも期待出来る有力な銘柄です。少しずつ買いまして長期的に保有していきたいです。タイミングを見て下がった時に購入できたらラッキー。
銘柄分析は出来ないけれど、自分なりの分析と直感で長く保有出来る銘柄を見つけては買いためています。最後まで読んでくださって、ありがとうございました!