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電話を発明したベルの会社が起源『エー・ティー・アンド・ティー』競合との価格競争で勝てる?

青空にスカイツリー

今回は、アメリカの大手通信会社『エー・ティー・アンド・ティー』をご紹介します。

エー・ティー・アンド・ティー(AT&T)は、固定電話、モバイル通信、インターネット、デジタルテレビなどの通信サービスを提供しています。また、AT&Tは、メディア・エンターテイメント部門も保有しており、テレビチャンネルや映画スタジオなどのメディアコンテンツも提供しています。

企業情報<Enterprise>

  • 名称                          エーティーアンドティー(AT&T)
  • 本社                          アメリカ 登録はデラウェア州 実際はテキサス州ダラス
  • 設立                         1877年
  • 業種                      通信サービス業
  • 公式ウェブサイト     AT&T
  • ティッカー                  T
  • セクター                     通信サービスセクター
  • 市場                          ニューヨーク証券取引所(NYSE)

フロリダ州で約500万世帯の電気を提供しています。

歴史<History>

AT&Tは、アメリカ合衆国において通信業界の中で長い歴史を持つ企業です。

  1. 1877年  AT&T(American Telephone and Telegraph Company)が設立。
         電話機の製造と通信サービスの提供。
  2. 1900年代 ライセンスを持つ他の電話会社を買収し、連邦政府とも協力関係を築く。
  3. 1984年  アメリカ連邦政府はAT&Tの独占体制を終了させるため、ベル体制の解体を実施。
         AT&Tは7つの地域ベル会社(Regional Bell Operating Companies)に分割。
  4. 1990年代 ワイヤレス通信事業に参入し、Cingular Wireless(現在のAT&T Mobility)を買収。
  5. 2000年代 デジタル技術とインターネットに重点を置いたサービスの展開を開始。
         光ファイバーやDSLを使用した高速インターネットサービスの提供。
  6. 2018年  AT&TはTime Warner(現在のWarnerMedia)を買収。
         AT&Tはテレビ、映画、ストリーミングサービスなどのエンターテイメント業界にも進出。

AT&Tは長い歴史を通じて、通信技術の進化に対応し、業界の変化に適応してきました。

サービス<Services>

AT&Tは幅広くサービスを提供しています。多様なサービスから10個挙げてみました。

  1. 固定電話サービス
  2. インターネットサービス
  3. ワイヤレス通信サービス
  4. テレビサービス「DirecTV、AT&T TV」
  5. ビジネスソリューションサービス
  6. デジタルエンターテイメントサービス
  7. モバイルセキュリティサービス
  8. クラウドサービス
  9. モバイル決済サービス
  10. IoT(モノのインターネット)サービス

通信関連サービスを手広く行う事で、多様な顧客ニーズに対応し、通信、エンターテイメント、ビジネスなどの領域で幅広く活動しています。

強味<Advantage>

AT&Tの強みは次のような点にあります

  1. 幅広いサービス提供
    ワイヤレス通信、インターネットサービス、デジタルエンターテイメント、ビジネスソリューションなど、幅広いサービスを提供し、個人消費者から大企業まで、さまざまな顧客のニーズに対応することができます。
  2. 大規模なネットワーク
    アメリカ全土で大規模な通信ネットワークを運営しており、高品質な通信サービスを提供することができます。また、広範なカバレッジと高速なデータ転送速度を実現しています。
  3. 技術革新への取り組み
    長い歴史の中で、通信業界の技術革新において重要な役割を果たしてきました。新しいテクノロジーの導入や研究開発への投資を行い、顧客に最新のサービスや機能を提供しています。
  4. デジタルエンターテイメントの強み
    DirecTVやAT&T TVなどのテレビサービス、HBO Maxなどのストリーミングプラットフォームを所有しています。これにより、顧客は豊富なエンターテイメントコンテンツにアクセスできます。
  5. ビジネスソリューションの提供
    企業向けにビジネスのニーズに合わせた音声通信、データネットワーキング、クラウドサービス、セキュリティ対策などを提供し、顧客のビジネス成果を支援します。

顧客に多様なサービスと高品質な通信体験を提供し、競争力のある通信市場で差別化を図っています。

課題<Subject>

AT&Tの課題としては、以下のような点が挙げられます

  1. 競争激化と価格競争
    通信業界は競争が激しく、競合他社との価格競争が続いています。価格競争により、利益率が低下する可能性があります。
  2. インフラストラクチャーの更新と拡張
    迅速なデジタル化やネットワークの需要増加に対応するためには継続的なインフラストラクチャーの更新と拡張を行う必要があります。これには高速ネットワークへの投資や5Gの展開などが含まれます。
  3. 顧客の需要変化とサービスの進化
    テクノロジーの進歩により、顧客の需要や利用パターンが変化しています。AT&Tは顧客のニーズに合わせた新たなサービスやソリューションの開発・提供に取り組む必要があります。
  4. データセキュリティとプライバシーの保護
    通信業界では、データセキュリティとプライバシーの保護がますます重要な課題となっています。AT&Tは顧客のデータを保護し、セキュリティ対策を強化する必要があります。
  5. 新興テクノロジーへの対応
    人工知能、クラウドコンピューティング、IoT(モノのインターネット)などの新興テクノロジーが台頭しています。AT&Tはこれらの技術を活用し、新たなビジネスチャンスを見出す必要があります。

新なテクノロジーや市場の変化に適応するため、革新的なサービス提供を続け、トップとして走り続けなければなりません。

競合<Competition>

  1. T-Mobile US: モバイル通信サービスやデータプラン
  2. Telefon and Data Systems:固定電話、モバイル通信、ブロードバンドインターネット
  3. Verizon Communications: ワイヤレス通信、インターネット、テレビサービス

3社ともアメリカの大手通信企業です。

上の3社との5年間の株価チャートです。

TDSの値動きが非常に大きくなっていますが、株価自体は高くないです。一方、TMUSはそれほど幅が無いように見えますが、株価は高くなっています。

配当<Dividend>

エー・ティー・アンド・ティーは、配当しています。

  • 配当回数  年4回
  • 配当確定月 1,4,7,10月
  • 配当支払月 2,5,8,11月

2022年に大幅に減配しました。2021年までは年間$2.08の配当。2022年4月以降は年間$1.11。半分以下になっています。

配当利回りは、7.10% (2023年6月1日)

分析<Analysis>

日本の通信会社と言えば、ドコモ、au、ソフトバンクのですが、中でも最も歴史があるのはドコモですね。AT&Tは、アメリカのドコモか、それ以上の存在感ある企業です。

インターネットが普及してから、通信会社の地位はとても高く大きくなりました。スマートフォンは世界中に普及し、無くてはならないアイテムです。そんな時代ですから、通信会社が傾くという事は、ほとんど考えられません。もし、あるとすれば、とんでもない不祥事を起こした場合でしょうか。

AT&Tも過去にいくつか不祥事を起こしています。

不正課金問題、プライバシー違反などです。これらの不祥事では、顧客への返金や和解金などの対策を支払う事で対応してきました。同じような過ちは起こさないと思いたいですが、似て非なる不祥事は今後も起こりえます。

また、進化しつづけるテクノロジーをから、新たなニーズに対応するために、新しいサービスの提供をし続けていかなければなりません。さらに、競合との価格競争もあります。

新しいテクノロジーから新たなサービスを生み出し、セキュリティやパフォーマンスに気を配りつつ、低価格で提供する。とても難しい事ですが、その難しい事を成し遂げてきた企業でもあります。

アメリカでの知名度は非常に高く、顧客からも信頼され愛されている企業です。

2017年以降、少し下降気味です。

期待度<Expectations>

お手頃な株価で、配当利回りも高い銘柄なのですが、いきなり飛びついてはいけません。

IT関連株が大幅に値を下げている中、通信関連市場も全体的に下降気味です。

AT&Tは通信関連企業です。スマホは現代人の生活にかかせないアイテムですので、需要はありますし、今後拡大していくと予想されています。しかし、競合他社がひしめき合い、日々争奪戦を繰り広げている市場でもあります。

そんな中で成長していくのは、非常に困難だと思われます。

その困難を跳ねのけて、更なる成長を遂げていくか。すり抜けていくか。どちらにしても、期待しています!

実は、2022年9月まで保有していましたが、手放しました。もう一度購入しようか検討しましたが、もう少し静観しようと思います。

銘柄分析は出来ないけれど、自分なりの分析と直感で長く保有出来る銘柄を見つけては買いためています。最後まで読んでくださって、ありがとうございました!

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